アパート経営を始めるとき、最初に考えるのは初期費用ではないでしょうか。
どれくらいの費用なのか、自己資金はいくら必要になるのかと疑問に思う方が多いと思います。
この記事では、これからアパート経営を始めるかたに向けて、アパート経営の初期費用と、自己資金が不要となるケースについて解説していきます。
また大手賃貸住宅メーカー5社の初期費用とメリット・デメリットも紹介していくので参考にしてみてくださいね。
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アパート経営の初期費用の相場はいくら?
アパート経営の初期費用の相場は、建築する建物の規模、構造によって異なります。
今回100坪の土地に、単身者向け8世帯のアパートを建築した場合を例として、初期費用はいくらになるのかを解説していきましょう。
8世帯のアパートであれば、建物の面積が約70坪前後となり、面積に一坪あたりの単価をかけたのが本体金額です。
木造であれば一坪あたり60万円、軽量鉄骨造であれば70万円、重量鉄骨造であれば90万円がおおよその単価になります。
本体金額の他に、外構費用、設備費用、諸経費などが別途費用となりますので注意しましょう。
別途費用はアパート経営にかかわる総費用の30%前後になることが多いです。
上記を踏まえて、8世帯のアパート経営の初期費用を構造別に算出すると、木造のアパートは6,000万円、軽量鉄骨造は7,000万円、重量鉄骨造は9,000万円になります。
土地の形状や高低差、メーカーによって金額が変わりますので、一例の初期費用として覚えておいてください。
アパート経営に自己資金が不要な3つのケース
アパート経営を始めるにあたり、1割から2割程度の自己資金が必要といわれるケースは少なくありません。
しかし、自己資金が必ず必要というわけではありません。
金融機関からの借り入れ可能額が建築費用より下回った時、自己資金が必要となります。
借入可能額は金融機関で計算されるため、厳密にはいくらになるか分かりませんが、自己資金が不要となる場合の3つのケースである、
- 担保評価計算
- 銀行独自の収支シミュレーション
- 属性の確認
についてそれぞれ解説していきます。
担保評価を計算
金融機関から借り入れする際、必ず担保評価計算をします。
担保評価計算とは、建物の価値、土地の価値がどれくらいの価格になるかを評価する方法です。
一般的には、本体金額×0.5×40%が建物の担保評価になります。
一方土地に関しては、土地の面積×路線価×40%で算出可能です。
路線価とは国税庁で定める、1平方メートルあたりの評価額になります。
財産評価基準書|国税庁 (nta.go.jp)
建物と土地の担保評価を合計し、建築費用より担保評価が大きければ自己資金は不要となるケースが多いです。
銀行独自の収支シミュレーション
金融機関は事業収支に合わせ、金利、入居率、借入期間に負荷をかけて計算する仕組みです。
金融機関により計算方法は異なりますが、基準としては、借り入れ金利を4%から5%で計算し、入居率70%前後、借入期間を20年で査定します。
これにより、毎年の収支が黒字であれば自己資金が不要となることがあります。
属性の確認
金融機関は賃貸住宅の経営者が万が一死去した場合、次の経営者はどのような人になるのかを事前に把握します。
仮に返済能力が無いと判断された場合、金融機関はお金を貸さない、または借入期間を短くし、自己資金の捻出を求めてくるでしょう。
このように、自己資金の捻出は、金融機関によって左右されます。
しかし、事前に事業性、銀行独自のシミュレーション方法がわかっていれば、必要な自己資金がある程度想定可能です。
アパート建築メーカー大手5社の初期費用とメリット・デメリット
アパート建築メーカーは全国に何社もありますが、安いのか、高いのか、何が良いのかもわからない方が多いと思います。
ここではアパート建築メーカー大手5社である、
- 積水ハウス
- 大和ハウス
- 大東建託
- 東建コーポレーション
- 三井ホーム
の2階建て単身者向け8世帯アパートの初期費用とメリット・デメリットを解説していきます。
積水ハウスの単価とメリット・デメリット
戸建て、賃貸住宅の建築戸数も業態トップクラスの企業です。
確かな品質で、賃貸住宅経営をはじめとする、価値・魅力ある土地活用プランを提案しています。
2階建て単身者向け8世帯アパートの初期費用は7,300万円。
積水ハウスで賃貸経営を始めるメリットとしては、誰もが知っている一流企業というブランド力と、高級ホテルのような内装や設備が入居者に喜ばれる点でしょう。
建物金額が高いがゆえに、金融機関からの借り入れが難しく、また家賃設定が高いので入居者確保がむずかしいなどのデメリットが挙げられます。
大和ハウスの単価とメリット・デメリット
建設業界の売り上げで常にトップクラスに居続ける企業です。
創業した1995年からいままで、総販売戸数150万戸超えという実績がなによりもの信頼の証です。
2階建て単身者向け8世帯アパートの初期費用は7,000万円。
最近では洗面化粧台を広くしたり、アクセントでクロスのデザインを変えたりなど、女性入居者が喜ぶ仕様の賃貸住宅を建築しております。
それにより、若い女性入居者からの支持が強いところがメリットと言えるでしょう。
しかし、積水ハウス同様、建物金額が高いため、初期費用は大きくなり、金融機関からの借り入れ審査をクリアする必要があります。
大東建託の単価とメリット・デメリット
全国で一番アパート建築実績が多い企業です。
その実績から得たノウハウを活かし、常に最先端を走り続ける企業でもあります。
2階建て単身者向け8世帯アパートは6,000万円。
大東建託は建築実績のみならず、賃貸仲介件数も5年連続で1位を獲得してます。
その実績をみれば、入居者確保が非常に強い企業です。
建物に関しては日本ツーバイフォー建築協会の認定を受けているため、しっかりした建物です。
しかし、営業マンが常に数字に追われているため、しつこく営業に来ることがあります。
断っても何度も家に押しかけられることもあるので注意しなければなりません。
東建コーポレーションの単価とメリット・デメリット
東証一部上場しており、全国規模で事業展開を行い、CMでも有名芸能人を多数起用する土地活用のパイオニアとして、名実ともに大企業建築会社です。
2階建て単身者向け8世帯アパートは6,800万円。
東建コーポレーションは賃貸仲介、不動産管理も行っております。
入居者を確保するため、常に仲介手数料のキャンペーンを行っている企業です。
仲介件数は全国3位の実績であり、空室リスクを抑えられるメリットがあります。
建築費は決して安くないものの、入居者確保を優先しているため、賃貸住宅の家賃設定が相場より少し低く、収益性は弱いです。
三井ホームの単価とメリット・デメリット
三井不動産の完全子会社ではありますが、年間売上高は2,600億円にもなる実績ある企業です。
戸建てのイメージが強いですが、近年では賃貸住宅にも力を入れております。
2階建て単身者向け8世帯アパートは5,800万円。
パリのアパートを意識したデザインや、海外リゾートをデザインした建物は入居者だけでなく、賃貸住宅オーナーからも人気です。
そのデザインが良いゆえに、細部までこだわり過ぎてしまうと価格が大きく跳ね上がってしまいます。
木造でありながらも一坪当たりの単価が90万円を超えるということもあり、重量鉄骨造並みの価格になってしまうこともあるでしょう。
価格帯だけを見れば、三井ホーム、大東建託、東建コーポレーション、大和ハウス、積水ハウスの順番で初期費用が安いです。
しかし、コストだけを重視するのではなく、各メーカーのメリット・デメリットをしっかり理解したうえで比較しましょう。
アパート経営を成功させる3つのポイント
これまで大手のアパート建築費用とメリット・デメリットをご紹介してきました。
各メーカーの特徴が分かったうえで、次にアパート経営を成功させるための、3つの注意点、
- 各社見積もりを取り、比較する
- リスクを抑えたサブリース管理
- アパートの売却も考える
についてそれぞれ解説します。
各社見積もりを取り、比較する
アパート経営で一番やってはいけないことは1社のみの見積もりで建築会社を決めてしまう事です。
担当が優秀な営業マンだからとは言わず、賃貸経営は事業ですので、妥当性、収益性を図る必要があります。
各社見積もりを取り、比較検討した上で建築会社を選びましょう。
リスクを抑えたサブリース管理
アパート経営で一番の問題は空室リスクです。
入居者が居なければ家賃収入は入らず、借り入れ返済に追われる日々になります。
そのリスクを軽減するのがサブリース管理です。
サブリース管理とは入居者が居なくても家賃を保証してくれる管理システムのことを言います。
一般的に不動産会社に管理委託した場合、空室が出たら、空室分の家賃は入りませんが、サブリース管理では、空室の状態でも家賃収入を得ることが出来ます。
アパートの売却も考える
アパート経営は毎月家賃収入を得られますが、築年数が経てば新たな入居者確保も難しくなり、収入が減る恐れがあります。
サブリース管理でも空室リスクを軽減できますが、一生同じ家賃というわけではありません。
そのため、ある程度の年数が経ったら売却し、借入額を返済することもあたまに入れておく必要があります。
まとめ
これまでアパートの経営の初期費用の相場と、大手賃貸住宅メーカー5社の比較をしてきました。
アパート経営は事業ですので、収益が出る建築会社を選ぶ必要があります。
間違えて選んでしまうと、長期的なアパート経営に大きな影響を及ぼしてしまうでしょう。
またアパート経営には、常にリスクがつきものです。
不労所得とはいえ、経営判断がもとめられます。
間違った経営方法をしない為にも、常にリスクと向き合い対応する必要があります。
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