不動産投資を行う方の多くは、金融機関から事業用ローンを利用して投資していますが、その中にフルローンという言葉があります。
フルローンは限られた物件と限られた人しかできないイメージでしたが、数年前まではフルローンを多く採用している金融機関が多くありました。
しかし、近年の大手建築会社の界壁問題や、不動産会社のサブリース問題、地方銀行の融資改ざんにより、金融庁から各金融機関へ審査基準の見直しが入りました。
そのため自己資金が求められる融資審査基準となりましたが、今でもフルローンを採用している金融機関も多数あります。
そこで今回、不動産投資のフルローンのメリット・デメリットを紹介していきます。
この記事を読むことでフルローンの良し悪しが理解でき、自身に向いているかどうかを判断できるようになるでしょう。
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不動産投資のフルローンって何?
不動産投資におけるフルローンとは、名前の通り、投資する不動産の購入代金を全額融資で対応するということです。
一般的に不動産を購入する際は、総投資額の2割から3割前後の自己資金が必要と言われていますが、フルローンの場合は必要ありません。
不動産投資をするのであれば、自己資金を抑えて収入確保をするのが理想であるでしょう。
とはいえ、誰でもできるわけではなく、またフルローンにもメリット・デメリットがあります。
次で解説していきます。
不動産投資のフルローンのメリット・デメリット
フルローンと言う言葉は非常に魅力的です。
しかしメリット・デメリットがありますので、紹介します。
不動産投資のフルローンの3つのメリット
不動産投資のフルローンのメリットは大きく分けて下記の3つが該当します。
- 初期費用が不要
- 高いレバレッジ効果が見込める
- 経費計上できる費用があがる
初期費用が不要
先ほどもお話した通り、金融機関からの融資を利用して不動産投資を行う場合、投資額の2割から3割の自己資金が必要となります。
不動産投資物件を購入する際は物件価格とは別に、諸費用が必要となり、総費用の2割から3割になります。
諸費用は金融機関によって融資対象外としているケースもあるため、その費用を自己資金で補うというのが一般的です。
しかし、フルローンを組む場合は、諸費用に関しても融資するということにもなります。
本来、諸費用は融資対象外にしていたとしても、投資する物件の収支や経営者の属性によっては全額融資をするケースもあります。
そのため、フルローンで組める方は、初期費用となる自己資金は不要となります。
高いレバレッジ効果が見込める
不動産投資におけるレバレッジ効果とは、少ない金額で大きな収益が見込めるということです。
例えば自己資金100万円で、年間家賃収入が300万円の場合、レバレッジは3倍となります。
しかし、フルローンである場合、自己資金がないため、さらに高いレバレッジが見込めるということにもなります。
如何に高いレバレッジをかけて収益を出すかが不動産投資のポイントですから、フルローンはその点で大きなメリットがあると言えるでしょう。
経費計上できる費用が上がる
不動産投資には経費という所得税を圧縮できる費用があります。
所得税は年間の所得に税率をかけ、控除額を差し引いた金額です。
しかし、フルローンの借入利子は経費に計上でき、年間の所得から経費を差し引くことができます。
一例としてフルローンの場合と全額自己資金の場合の所得税を比較してみましょう。
なお比較しやすいように、フルローンは借入返済後の年間収入とし、全額自己資金と同一の収入とします。
フルローンの場合 | 全額自己資金 | |
年間収入 | 300万円 | 300万円 |
年間借入利子 | 40万円 | - |
所得税 | 162,500円 | 20万2,500円 |
上記の表をみても、借入利子による所得税の節税が可能となります。
不動産投資のフルローンの3つのデメリット
フルローンには自己資金捻出を抑えて、高収入が期待でき、節税にもつながるメリットがありますが、デメリットもあります。
ここでは、フルローンに関する3つのデメリット、
- 借入返済額が高額
- 融資審査が厳しい
- 金利上昇リスクがある
を紹介します。
借入返済額が高額
フルローンを組むということは、自己資金を投入する場合より借入額が大きくなることを意味します。
つまり、毎月の返済額が高額になるということです。
ここでは5,000万円の投資物件に自己資金を2割入れて購入した場合と、フルローンで購入した場合の借入返済額の比較を下記の表にまとめました。
なお、借入期間30年、金利1.5%で想定します。
自己資金2割 | フルローン | |
借入額 | 4,000万円 | 5,000万円 |
月返済額 | 138,048円 | 172,560円 |
総返済額 | 49,697,310円 | 62,121,637円 |
フルローンと自己資金2割では、毎月34,512円の返済差額があり、30年間では12,424,327円の差額がでます。
また、自己資金2割である1,000万円を投入して購入した方が、フルローンより約240万円支払額を抑えることにつながります。
借入額が大きくなるということは、毎月の返済だけでなく、長い期間でみてもフルローンの方が総返済額は高額となってしまうデメリットがあります。
融資審査が厳しい
フルローンを希望する方の多くは、「資金力がある人」もしくは「資金力がない人」に分かれます。
資金力がある人は、金融機関から返済能力も高いと判断され、問題なくフルローンが組めるでしょう。
しかし、資金力がない人がフルローンを組むとなると融資審査が厳しくなります。
冒頭でもお話した通り、建築不動産業界での多数の問題もあり、金融庁から各金融機関へ融資審査基準の見直しがありました。
そのため今までフルローンを組んでいた方でも、自己資金の捻出が求められています。
そのため資金力がない人がフルローンを組むとなると、金融機関もかなり慎重に審査するはずです。
投資する物件のシミュレーションが良くても、申込者の年収が低かったり、預金残高が少なかったりすれば、返済能力は低いと判断されてしまいます。
そのため、フルローンを組む場合、ある程度の年収や預金などの資金力が求められることになるでしょう。
金利上昇のリスクがある
フルローンは毎月の借入返済が高額になる旨は先ほどご説明しました。
借入返済の中には「元本部分」と「利子部分」があります。
金利は利子に影響します。
金利が上昇した場合、返済する利子も高くなる可能性があるため、毎月の返済額も更に高額になるという懸念があります。
2022年2月時点での日本では、低金利時代が続き、安い金利が採用されています。
しかしバブル時は5%や6%と高金利時代と言われる時もありました。
つまり、金利はいつどうなるかわからないということが考えられます。
低金利時代が続けば、毎月の返済額も少なく済む可能性は高いですが、高金利となるリスクは常に持ち合わせているため、フルローンは危険とも言われています。
フルローンを利用する際には収支シミュレーションを行う
フルローンを利用する際は、手元に収入が残るかシミュレーションを行う必要があります。
下記の表は5,000万円の投資物件に対し、自己資金2割を投入して購入した場合と、フルローンで購入した場合の一例です。
投資金額別 | 自己資金2割 | フルローン |
借入金額 | 4,000万円 | 5,000万円 |
年間家賃収入 | 250万円 | 250万円 |
借入返済額 (30年ローン・金利1.5%) |
1,656,576円 | 2,070,720円 |
不動産会社への管理費 (家賃の5%) |
125,000円 | 125,000円 |
所得税 | 220,000円 | 200,000円 |
その他ランニングコスト | 200,000円 | 200,000円 |
手残り | 298,424円 | -95,720円 |
一例ではあるものの、フルローンで融資した場合、手残りがマイナスとなってしまうため、この物件に投資しても意味が無いと判断できます。
もちろんマイナスになっている時点で金融機関の融資対象外となり、フルローンを組むことは出来ませんが、事前に収入シミュレーションを行うことで、赤字物件の購入を防ぐことにも繋がります。
不動産投資のフルローンが向いている人と向いていない人
これまでのフルローンの特徴を踏まえ、向いている方の特徴は「資金力がある人」「高いレバレッジで投資したい人」「初期費用を抑えたい人」「収支シミュレーションを行える人」と判断することができます。
不動産投資が初めての方は、経験も浅く、金融機関からの信用力を勝ち取りにくいので、フルローンは難しいです。
しかし、ある程度のまとまった資金がある方は、金融機関も前向きに検討してくれますので、フルローンが向いていると言えるでしょう。
一方、フルローンが向いていない人の特徴としては、「資金力がない人」「毎月の収入を高くしたい人」「不動産や金融の知識が乏しい人」などが挙げられます。
フルローンで不動産投資をする場合、さまざまなイレギュラーな支出や金利変動に対応していかなければなりません。
対応する方法のほとんどが自己資金で賄うものが多いため、資金力がない方はフルローンには向いていないでしょう。
不動産投資のフルローンは厳しくなった
不動産投資のフルローンについては、かぼちゃの馬車事件によって一気に審査が厳しくなりました。
それ以前は審査が緩く、フルローンでの投資を勧めているセミナーなどもありました。
一方でかぼちゃの馬車事件によって金融機関が一斉に引き締めに回ったと言えます。
しっかりとフルローンのメリットとデメリットを考えつつ、仮にフルローンを希望したとしても可能かどうかも考える必要があるでしょう。
まとめ
これまで不動産投資のフルローンのメリット・デメリットを解説してきました。
フルローンは不動産投資をするうえで、初期費用を抑えられるため、多くの方が望む融資方法です。
一方で毎月の返済が高額となり、金利の変動もあるなどのデメリットもあります。
初期費用を抑えて投資したい気持ちはわかりますが、不動産投資は常に返済リスクと向き合っていく必要があります。
そのため、自身に合った方法を選択するようにしましょう。
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