アパート経営の経費とはなにか、と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
家賃収入から経費を差し引いた額に税率がかけられ納税額が決まります。
つまり経費が多ければ納税額も減るということに繋がります。
経費はアパート経営をする上で非常に大切です。
しかし、経費自体を理解していない方も多く、アパート経営での利益を少なくしている方も多いでしょう。
アパート経営では経費として認められるものと認められないものがあるため、事前に経費にできるものを把握しておくことが成功の鍵に繋がります。
ここではアパート経営の経費の魅力と、経費計上できるものとできないものを紹介していきます。
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アパート経営の経費とは
アパート経営における経費とは、その事業を行うための費用を指し、収入から差し引くことが出来ます。
差し引くことによってアパート経営における所得税の納税額を下げることが可能です。
アパート経営の経費に関する3つのメリットとは
アパート経営の経費を利用することで3つのメリット、
- 所得税、住民税の納税額を下げることが出来る
- 他の事業収入と損益通算できる
- 5棟10室以上を持っているなら青色申告が可能
がありますので紹介していきます。
所得税、住民税の納税額を下げることが出来る
仮定として、年間家賃収入が700万円だったとする場合、経費が200万円であれば、700万円-200万円=500万円の所得と計算できます。
500万円という、年間家賃収入から経費を差し引いた所得に対し、所得税住民税が課税される仕組みです。
経費が無ければ700万円に対して課税されることでもあります。
500万円の場合、所得税住民税は572,500円ですが、700万円の場合、974,000円になり、大きな差がでることになります。
他の事業収入と損益通算できる
アパートの経費は他の事業収入と損益通算することが可能です。
損益通算とは
損益通算とは、ある特定の事業にて期間中に得た利益と損失を合算することが出来ます。
損益通算をすることにより、課税対象になる所得の金額も減るので節税に繋がります。
例えばある事業で損失が50万円、もう一つの事業の利益が300万円であれば、250万円に対し課税されることです。
損益通算できる特定の4つの事業とは
損益通算できる特定の事業は以下の4つです。
- 不動産所得
主に「アパート経営」「駐車場経営」などの所得が該当します。 - 事業所得
「農業」「漁業」「製造業」「卸売業」「小売業」「サービス業」などの所得が該当します。 - 山林所得
山を取得してから5年以内に譲渡することで生じた所得です。
山林売買の場合は譲渡所得に該当します。 - 譲渡所得
資産の譲渡によって得られる所得です。
土地や建物、アパートなども該当します。
またゴルフ会員権、株なども譲渡所得になります。
5棟10室以上を持っているなら青色申告が可能
アパート経営を5棟以上運用し、10室以上の賃貸を経営している場合、事業的規模とみなされ、不動産事業における青色申告をすることが可能です。
青色申告の概要
青色申告することで、アパート経営などの所得から最大65万円控除され、家族への給与も経費として扱う事ができます。
また、アパート経営での赤字所得を3年間繰り越すことも可能です。
青色申告に該当する人は「所得税の青色申告承認申請書」を行政に提出し、売り上げや経費などの帳簿を作成する必要があります。
手間が非常にかかるため、多くの方が税理士に委託しているでしょう。
青色申告と白色申告の違い
青色申告をしない人は、白色申告に該当します。
白色申告の場合、簡易帳簿を提出することで所得から10万円の控除が可能となります。
青色申告と違い、赤字所得を繰り越すことはできません。
アパート経営の経費9項目を紹介
アパート経営の経費のメリットは理解出来ましたでしょうか。
ここからはアパート経営の経費に該当する9つの項目、
- 減価償却費
- 固定資産税、都市計画税
- 修繕費
- 借入利息
- 管理費
- 入居斡旋の広告費や仲介手数料
- 立ち退き費用
- 保険料
- 接待交際費、交通費、通信費
を紹介していきます。
減価償却費
アパート経営を始めた際の費用を使用期間に渡って分割し、経費に計上できるものです。
アパートの構造、外構工事、付帯工事によって使用期間が定められているのが特徴です。
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_02.pdf
一例として、木造アパートを建築した場合で計算していきましょう。
木造アパートの使用期間は22年と定められており、償却率は0.046になります。
木造アパートの本体金額が5,000万円であれば、5,000万円×0.046=230万円となり、22年間230万円を経費として計上出来ます。
外構費用、付帯工事費用などの償却率もすべて異なりますのでご注意ください。
また登記費用や水道加入金などの諸費用は1年で経費計上できるものや、そもそも経費扱いできない項目もあります。
固定資産税、都市計画税
毎年1月1日時点で不動産を所有している方に納税義務がある税金です。
固定資産税は敷地面積×固定資産税路線価×1.4%で算出できます。
固定資産税路線価は下記のサイトで確認可能です。
参照:https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal?mid=216
都市計画税は、敷地面積×固定資産税路線価×0.3%で算出することが一般的です。
しかし、地域によって税率は異なり、そもそも納税義務がない市町村も存在します。
アパート経営している市町村に確認しましょう。
また1月1日時点で登記完了していた場合、2月14日から3月15日までに確定申告する必要があります。
しかし、1月2日に登記が完了した場合、翌年から固定資産税の納税義務があります。
修繕費
修繕費には「原状回復」「補修費」「予防修繕費」の3項目があります。
- 原状回復費とは
アパートの入居者が退去した際の復旧費用です。
基本的には借主が敷金などで充当し補修しますが、経年劣化などによる補修は貸主が負担して回復します。 - 補修費とは
アパートのエアコンや給湯器などの不具合は貸主の責任で補修します。
また借主とは関係なく、事故や自然災害などでアパートが破損した場合も同様です。 - 予防修繕費とは
老朽化したエアコン、給湯器などを始め、部屋のリフォーム費用が該当します。
また、防虫処理、防蟻処理費用も予防修繕費に含まれます。
借入利息
金融機関から借入してアパート経営をしている場合、借入利息は経費として計上出来ます。
借入を完済するまで経費計上可能です。
管理費
不動産会社にアパートの管理を委託している場合、管理手数料が差し引かれます。
一般的には家賃収入の5%が管理手数料となり、経費として計上可能です。
入居斡旋の広告費や仲介手数料
不動産会社に入居者を斡旋してもらうために支払う費用を広告費と言います。
また、入居者が決まれば仲介手数料を不動産会社に支払います。
これらはすべて経費計上可能です。
立ち退き料
アパートなどの建て替えの際、入居者が居れば退去してもらう必要があります。
立ち退き費用はおおよそ、今貸している家賃の6か月分が相場価格です。
その立ち退きにかかった費用はすべて経費として計上出来ます。
保険料
火災保険料や地震保険料などの定期的に費用が発生する費用は、各年数に分けて経費計上します。
火災保険であれば10年(2022年に5年になる予定)、地震保険であれば、5年間に分けて経費計上できます。
接待交際費、交通費、通信費
アパート経営に関する接待交際費、交通費、通信費などは経費に該当します。
住宅メーカーや税理士などとの打ち合わせなどの費用がメインでしょう。
経費として認められないもの
アパート経営の経費として認められる項目を説明してきました。
つぎに、経費として認められないものを3つ紹介致します。
- 個人の税金
- 借入金
- アパート経営に関連しない費用
個人の税金
個人の所得税や住民税、自宅の固定資産税などは経費対象外です。
ただし、同一敷地内に自宅兼賃貸アパートを経営している場合は、事業面積によって案分された額が経費対象となります。
借入金
借入利息は経費として認められますが、元本部分の関する借入金は経費計上できません。
アパート経営に関連しない費用
アパート経営セミナーに向かう交通費や宿泊費は経費に該当しますが、アパート経営と関連しない費用は一切経費計上できません。
まとめ
アパート経営の経費の魅力と項目について説明してきました。
アパート経営は家賃収入や入居率に目が行きがちですが、経費を理解しておくことで納税額を減らす事もでき、成功の鍵に繋がるでしょう。
また、経費となる項目だけを理解しておくだけではなく、領収書や帳簿なども記録として残すことが大切です。
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