じわじわと認知度を拡大している不動産サービス「リースバック」。
高齢者のニーズにマッチすることから利用者も増えていますが、とはいえ仕組みを理解していない方はまだまだ多いです。
そこで今回は、リースバックとはどんなサービスなのか、その仕組みやメリデメを解説します。
・登録している100社以上の業者が一括査定
→最大10社の見積もりを比較
・より好条件のリースバック業者が見つかる
・かんたん1分の入力で結果がわかる!
・家賃の交渉やお断り代行もしてくれる
リースバックとは
リースバックとは、正式には「賃貸借契約付き売却(sale and leaseback)」と表記されます。
家や店舗などの物件を売却して資金を得る方法の1つです。
他の資金調達の方法と比べて、比較的新しい方法ですが、活用する人が増加しています。
よく似た仕組みの一つに「リバースモーゲージ」という手法がありますが、明確な違いとして、リバースモーゲージは自宅を所有し続けることが可能です。
リバースモーゲージはあくまで、自宅を担保にしてお金を借りるものであり、リースバックのように売却なしない手法となっています。
リースバックの仕組み
リースバックは、自宅などの今保有している不動産を専門の不動産会社へ売却して、その買い手に家賃を支払う仕組みです。
所有権はなくなるものの、家賃というリース料を支払うことで引き続き自宅に居住し続けることができます。
借りることなく、まとまった現金をすぐに工面できるため、ローンの返済が苦しい場合や緊急で大きなお金が必要になった場合にはありがたいサービスです。
リースバックのメリット
ここから、リースバックの6つの特徴・メリットについて紹介をしていきます。
メリット1.まとまったお金が短期間で用意できる
リースバック最大の特徴かつメリットは、まとまったお金が一括で支払われるため短期間で用意できることにあります。
急なリストラや、親族の病気などで大金が必要になるケースは現代において他人事ではなくなりました。
また、事業の立ち上げなどに資金が必要となる場合もあるでしょう。
そんな時にローンの支払いが残っている場合、給料の大半がローンで消えて日常の生活も不安定なものになってしまう方もいます。
これを解消してくれる仕組みとして、現代リースバックは注目されています。
メリット2.家を売却しても住み続けられる
家を売却するとは言え、完全に手放すのではなく、賃貸として売却後も住み続けることができます。
慣れ親しんだ家を引き払いたくない、子供が通っている学校から転校はさせたくない、などの引っ越しができない事情がある方にとって非常に心強い仕組みです。
当然ながら引っ越しの必要も全くないので、仮住居や引っ越し費用などもかかりません。
メリット3.周囲に売却が知られない
単純に自宅を売却した場合、当然引っ越しをしなければなりません。
高齢の方にとっては、慣れ親しんだ土地から離れる精神的・肉体的負担の両方を負うことになります。
ローンが支払えない、お金に困っているからなどの理由で売却したことが近隣の住民に知られるのは避けたいところ。
引っ越し費用も安くはないため、資金が手元に残るのも明確なメリットです。
法人の場合も、事業に必要な機材や設備を次の事業所に移す必要があるため、多額の費用が掛かります。
リースバックは一般的な賃貸のように競売にかけられることはありません。
つまり、住んでいる家がリースバックされているかどうかの情報は公になることはないので、近隣の方に知られるようなことはありません。
メリット4.固定資産税が不要になる
不動産を所有すると固定資産税という税金が必ず発生してしまいます。
リースバックでは、資産を売却するため、固定資産税が掛かりません。
資産として保有するのではなく、賃貸としてリース料を支払い貸借していることになります。
このため、固定資産税がかからなくなり、さらには修繕費用や管理費も不要となることもあります。
また、土地を所有するうえで必要な保険料、維持管理費といった費用も掛からなくなります。
このように、固定費を削ることが出来るうえ、場合によってはリース料を経費として計上することも可能です。
資金繰りにも余裕ができ、節税対策にもなるのは大きなメリットの1つといえます。
メリット5.将来的に買い戻しも可能
一般的に、任意売却や競売の場合では、売却した資産を買い戻すことは運用目的を持った買い手がいるため、非常に厳しいものとなります。
リースバックでは、また将来的に購入できる目処が立てば、再び買い戻しをすることができます。
資金に余裕ができた段階で、資産の買い戻しを検討している方には、リースバックは非常に良い選択と言えます。
買い戻しが可能な期間も年齢制限も設定されていないので、ご自身のタイミングの良い時に購入することが可能です。
メリット6.銀行融資よりも審査が通りやすい
銀行から融資を受けるには、「事業の健全性(返済能力)をわかってもらうこと」と「資金の用途を明確にすること」が重要です。
当然、個人や法人の信用で借りるため、審査も厳しくなってしまいます。
リーマンショックのような状況下だと、融資を断られた企業も少なくありません。
その点、リースバックであれば、重要視するのは「その資産にどれだけの価値があるか」です。
銀行の融資よりも、手堅く当面の資金を手に入れることができるのは大きなメリットになります。
また、銀行の融資よりも、資金を手にするまでの時間が短いこともメリットの1つです。
リースバックのデメリット
一見メリットが多いように見えますが、当然デメリットもあります。
ここではどのようなデメリットがあるのか見ていきます。
デメリット1.所有権を失う
今まで自宅として所有していたものが貸借している家となりますので、マイホームではなくなってしまいます。
自分が所有者でないため、将来的にお子様などに相続などもできなくなりますが、メリットで述べたように買い戻しは可能です。
とはいえ、必ず買い戻しができることが保証されているわけでもないことは留意しておく必要があります。
デメリット2.買い戻し額が高くなる
一般的にセール&リースバックでの資産の買戻し額は、売却価格の110%程度となっています。
これは、経年によって資産価値が下がっていても関係はありません。
買戻しを検討するのであれば、十分に資金ができてからにしましょう。
場合によっては、銀行の融資の方が「得」な可能性もあります。
デメリット3.やや割高な賃料となる可能性
賃貸となりますので、当然ながら賃料が発生します。
買い手にもメリットがないと購入されないので、賃料は周辺の家賃相場よりも高くなる可能性があります。
毎月に支払うリース料についても、一般的な賃貸物件と比較すると15%ほど割高となります。
主なリース料の目安については、年間で売却価格の10%程度が相場です。
そのため、セール&リースバックを利用する際は、リース料の支払い計画を綿密に考える必要があります。
単純計算で、10年借りると売却価格とほぼ同額になってしまうため、あまり長期に渡るようであれば利用しない方が賢明です。
デメリット4.売却額が平均より安くなりやすい
リースバックで不動産売却をする場合は、一般的な不動産売却よりもその買取り価額は安くなることが大半です。
先述の通り、買い手に利益が生じないといけないので、売却する価格は周辺の不動産価格の相場よりも安くなることがあります。
基本的には3割程安くなると考えて良いでしょう。
安く取引される理由としては、主に3つあります。
- 不動産などの資産は年数が経つごとに、その価値が下がっていく。
- 買主は、買取り後の一定期間は売主に資産をリースしなくてはいけない。
- 売主がリースを継続できなくなり、買戻しも不可能となれば、買主側で資産価値の下がった不動産などを再販売する必要がある。
そのため、購入時の金額が用意できるということはありません。
これらの理由から、買主側としては、利益の確保が難しくなった時のことを考慮します。
そのため、不動産などの買取り価額は安めになる傾向があることを覚えておきましょう。
リースバックはこんな人におすすめ
メリットもデメリットも見てきた上でリースバックをおすすめできる人の特徴を見ていきましょう。
まとまった資金が必要で今すぐには引っ越しできない方
事情によってまとまったお金が必要になったが、子供の転校などはさせたくないなど、引っ越しは出来るだけしたくない方に適しています。
老後の生活資金で相続相手もいない方
現状の年金では足りず、ローンの費用が負担になっている方で、相続相手も気にする必要がない方に向いています。
老後にまとまったお金でゆっくり過ごすこともできるでしょう。
債務整理をまとめてしたい方
仕事は安定しているが、借金やローンで毎月ギリギリで生活している方にもおすすめです。
毎月の給料はあるので、一括で借金を返済をしてしまえば、その後はリースバックで発生する賃料のみとなります。
リースバックを利用するときの注意点
リースバックを利用する際の注意点を紹介します。
共有名義の部屋は名義人全員の同意が必要
名義が、奥さんや両親などといった複数の名義人で購入している場合には注意が必要です。
その名義人全員の同意がないとリースバックが利用できません。
もし、その状況でリースバックを利用する場合は、事前に同意を得るようにしておいてください。
賃貸で住める期間を確認する
リースバックで交わす賃貸契約は、期間が決まっている定期賃貸契約というものになっている場合が多いです。
この契約は、契約期間が終わると通常の賃貸契約と違って、更新することができません。
そのため、家に住み続けるには、貸主と新たに契約を交わす必要があります。
もし、契約を更新できない場合は、住み慣れた家を出ていかなければなりません。
住み慣れた家を離れたくない人は、リースバックを利用する前に、賃貸で住める期間と契約内容を確認するようにしてください。
ちなみに、不動産業者によっては、契約の更新を保証している場合もあります。
複数の業者に査定依頼して比較する
買取価格をより高くしたいなら、複数の会社に査定依頼することがおすすめ。
なぜなら、会社によって査定額に違いがあるため、比較することで、どこが一番高く買い取ってくれるかわかるからです。
会社によっては、他社の査定額を提示することで価格が上がる場合もあります。
ただ、リースバックを提供する会社をリストアップして依頼するのは、時間も手間もかかります。
なので、記事の冒頭でも紹介した家つぐのようなリースバック専用の一括査定が手っ取り早くておすすめです。
「家つぐ」は無料で複数の会社にまとめて査定依頼でき、その後のやりとりも丸投げできます。
高額査定してくれる優良買い取り先が隠れているかもしれないので、ぜひ試してみてください。
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残債が多い場合は利用できないこともある
住宅ローンの残積が自宅を売った金額よりも多い場合には、債権者である金融機関の同意が得られないことがあります。
その場合は、リースバックを利用できません。
なぜなら、債権者の同意を得られないと、抵当権(住宅ローンの担保)を外してもらうことができないからです。
どうしても、リースバックを利用したい場合は、債権者に状況を正直に伝えて、相談してみてください。
債権者も、最悪を想定しているため、それで同意してくれることもあります。
リースバックのQ&A
リースバックに関するQ&Aを紹介します。
リースバックを使うと所有者は誰になる?
リースバックを行うことで、所有権は売却した物件を購入した者に移ります。
そして、新しい所有者と賃貸契約を結ぶことで済み続けることが可能。
そのため、所有者という立場から入居者という立場に変化するのです。
マンションでもリースバックは利用できる?
マンションでも一戸建て住宅と同じようにリースバックを利用が可能です。
ただし、マンションを対象としている会社に依頼する必要があります。
マンションをリースバックするとバレる?
所有者から入居者になることによって、管理組合から外れます。
もし、積極的に管理組合に参加していた場合には、売却を行ったことが周囲にわかることも珍しくありません。
そのため、知られたくない場合には、マンションのリースバックは注意が必要です。
マンションの管理費や固定資産税などの支払いは必要?
立場が変化したことによって、所有者が支払う義務があるマンションの管理費や固定資産税を支払う必要がなくなります。
ただし、固定資産税を滞納していると、家を売った資金から滞納分を支払う必要があるので、覚えておいてください。
まとめ
最後におさらいします。
リースバックは自宅などの所有している不動産を専門の不動産会社へ売却し、買い主に賃料を支払うという仕組みです。
メリットとしては、借りずにまとまったお金が短期間で用意できる、住宅ローンの返済から解放される、などです。
デメリットとしては、自宅の所有権がなくなる、返済がなくなる代わりに家賃が発生していく、などが挙げられます。
いまの家に住んだまま資金を用意したい人や、相続対策が必要な高齢者などに、リースバックは向いているでしょう。
メリット・デメリットをしっかり認識して、リースバックが自分に合ったサービスか判断してください。
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